【離檀・墓じまい】戒名や法要の「お付き合い」を円満に終える相談先と手順
「お寺への寄付や付け届けが負担になってきた」 「子供に継承の負担をかけたくないので、自分の代で終わらせたい」 「戒名はいらないし、法要も家族だけで質素に済ませたい」
お寺とのお付き合い(檀家制度)を解消することを「離檀(りだん)」と言います。 しかし、先祖代々のお墓がある場合、一方的に「辞めます」と伝えると、法外な離檀料を請求されたり、納骨を拒否されたりするトラブルに発展する恐れがあります。
この記事では、お寺との関係を整理・終了したいと考えた際に、「誰に相談すべきか」という順序と、トラブルを避けるための手順を解説します。
💡 この記事でわかること
・ まず最初に相談すべき「意外な相手」
・ 揉めた時に頼れる専門家(行政書士・消費者センター)
・ お寺への切り出し方と「離檀料」の相場
相談先1:まずは「親族」で合意形成
お寺に連絡する前に、必ず親族(兄弟、親戚)と相談してください。これが最重要です。
あなたが「負担だから辞めたい」と思っても、親戚の中には「先祖代々の墓を守るのが当たり前」「戒名は立派なものを」と考える人がいるかもしれません。 事後報告で墓じまいをしたり、法要を止めたりすると、親族間で修復不可能な亀裂が入ります。
- 相談のポイント: 「辞めたい」ではなく「継承者がいない」「経済的に維持が難しい」という「困りごと」として相談し、理解を得ておくことがスタートです。
相談先2:石材店(お墓のプロ)
意外と頼りになるのが、お墓を建ててくれた、または出入りしている「石材店(お墓屋さん)」です。 彼らはそのお寺の住職の性格や、過去に離檀した人がどうだったか(スムーズだったか、揉めたか)という「裏情報」をよく知っています。
- 相談内容: 「墓じまいを考えているが、住職にどう切り出せばいいか」「見積もりはいくらくらいか」
- メリット: お寺との間に入って、角が立たないように調整してくれる場合もあります。
相談先3:墓じまい代行業者・行政書士
「住職と話すのが怖い」「遠方で行けない」という場合は、「墓じまい代行」を行っている行政書士などのプロに相談します。
- サービス内容: 改葬許可申請の手続き代行、お寺との交渉代行、遺骨の取り出し立ち合いなど。
- 費用: 数万円〜十数万円かかりますが、精神的な負担を肩代わりしてくれます。
- 探し方: ネットで「墓じまい 代行 (地域名)」で検索すると出てきます。
相談先4:国民生活センター(消費者センター)
もしお寺から、「辞めるなら300万円払え」といった法外な離檀料を請求され、話し合いにならない場合は、公的な相談窓口へ連絡してください。
- 電話番号: 188(局番なし・消費者ホットライン)
- 対応: 過去の事例や、対処法のアドバイスがもらえます。
お寺への「切り出し方」とマナー
相談先が決まり、親族の了承を得たら、最終的にはお寺(菩提寺)に伝えなければなりません。 トラブルを避けるコツは、「不満」ではなく「相談」として持ちかけることです。
NGな言い方: ×「お金がかかるので辞めます」 ×「戒名も法要も意味がないと思うのでやめます」 (住職の人生や教えを否定することになり、相手を硬化させます)
OKな言い方(相談ベース): 「実は、私の代で跡継ぎがいなくなってしまいます。 これ以上、お寺にご迷惑をおかけして無縁仏にしてしまうのは申し訳ないので、今のうちに『永代供養(えいたいくよう)』やお墓の整理についてご相談したいのですが…」
ポイント: 「離檀」という言葉を使わず、「継承できないので、お寺に迷惑をかけない形にしたい」と伝えるのが円満解決の鍵です。
「離檀料」の相場と真実
お付き合いを終える際、「これまでのお礼」としてお布施を渡す慣習があり、これを一般に「離檀料」と呼びます。
- 相場の目安: 法要の1回〜3回分程度(3万円〜20万円ほど)
- 法的義務: ありません。あくまで「お布施(寄付)」です。
もし数百万単位の請求をされた場合、支払う義務はありません。「弁護士や国民生活センターに相談します」と伝えて、支払いを保留してください。
まとめ:お付き合いを終えるステップ
- 親族と話し合い、全員の合意を得る(最重要)。
- 石材店に連絡し、見積もりと住職の情報を聞く。
- お寺にアポを取り、「継承者がいないこと」を理由に「相談」に行く。
- 最後にお礼(お布施)を包み、関係を終了する。
お寺とのお付き合いを終えることは、決して悪いことではありません。 「先祖を粗末にする」のではなく、「今の生活スタイルに合わせて供養の形を変える」という前向きな整理です。まずは身近な親族への相談から始めてみてください。
【免責事項】
本記事は一般的な慣習と手続きについて解説したものです。お寺との契約内容(墓地使用規則など)や宗派によって対応が異なる場合があります。高額な金銭トラブルに発展しそうな場合は、早めに弁護士等の専門家にご相談ください。