「第一志望の企業から内定が出たので、滑り止めの企業を辞退したい」 「内定をもらったけれど、よく考えたら自分には合わない気がする」

内定辞退は、就活生にとって避けては通れない、そして最も胃が痛くなる局面です。 「怒られたらどうしよう」「呼び出されてコーヒーをかけられたらどうしよう(※都市伝説です)」と不安になるかもしれませんが、安心してください。

職業選択の自由は憲法で保障されており、内定辞退は労働者の正当な権利です。 誠意を持って伝えれば、トラブルになることはまずありません。

この記事では、人事担当者に悪い印象を与えず、スムーズに辞退を完了させるためのメール・電話の例文と、マナーの基本を解説します。


内定辞退は「メール」でいい?「電話」が必要?

結論から言うと、基本的には「メール」だけで問題ありません。 多くの企業では採用活動の効率化が進んでおり、証拠(ログ)が残るメールでの連絡を推奨するケースが増えています。

ただし、以下のケースでは「電話」を入れるのがマナーであり、最も安全です。

  1. 内定承諾書を提出した後である場合
  2. リクルーターがついて、個人的にお世話になった場合
  3. メールを送ってから3日以上返信がない場合

迷ったら、「まずはメールを送り、その直後(または翌日)に電話で補足する」のが最強の組み合わせです。これなら「メールを見てください」と伝えるだけで済み、引き止められる隙を与えません。


【コピペOK】内定辞退のメール例文テンプレート

件名は一目で内容がわかるようにし、本文は「結論→理由→感謝→謝罪」の順で構成します。

ケース1:標準的な内定辞退(承諾前)

件名: 内定辞退のご連絡(〇〇大学 氏名)

本文: 〇〇株式会社 人事部 採用担当 〇〇様

お世話になっております。 〇〇大学の〇〇(あなたの氏名)です。

この度は、内定のご通知をいただき、誠にありがとうございました。 また、選考中は多大なるお時間を割いていただき、重ねて御礼申し上げます。

いただいた内定につきまして、一身上の都合により大変恐縮ながら、辞退させていただきたくご連絡いたしました。

御社には大変魅力を感じており、最後まで悩みましたが、自身の適性やキャリアビジョンを慎重に検討した結果、他社とのご縁を優先することにいたしました。

本来であれば直接お伺いしてお詫びすべきところ、メールでのご連絡となりますこと、何卒ご容赦ください。

末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。


署名

ケース2:他社に決まった場合の理由書き換え

理由は「検討の結果」とぼかすのが基本ですが、突っ込まれるのを防ぐために少し具体的に書く場合です。

(理由部分の書き換え) 自身の将来像と照らし合わせ、誠に勝手ながら別の業界へ進むことを決意いたしました。 評価していただいたにも関わらず、このような回答となり大変申し訳ございません。


【会話スクリプト】電話で辞退する場合の台本

電話をかける際は、相手が忙しい始業直後(9:00〜10:00)や昼休み(12:00〜13:00)を避け、10:30〜11:30、または14:00〜16:00頃にかけるのがベストです。

あなた: 「お世話になっております。内定をいただきました、〇〇大学の〇〇(氏名)と申します。採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」

担当者: 「はい、〇〇です」

あなた: 「この度は内定をいただき、誠にありがとうございました。 本日は、内定の件でご相談がありお電話いたしました。 大変申し上げにくいのですが、検討の結果、今回の内定を辞退させていただきたく存じます」

担当者: 「そうですか。差し支えなければ理由を聞かせてもらえますか?」

あなた: 「はい。最後まで悩みましたが、自分の適性を再考し、他社とのご縁を優先することにいたしました。 貴重なお時間をいただいたにも関わらず、ご期待に添えない結果となり、大変申し訳ございません」

担当者: 「わかりました。残念ですが、頑張ってくださいね」

あなた: 「温かいお言葉ありがとうございます。本来であれば直接お伺いしてお詫びすべきところ、お電話でのご連絡となり申し訳ございません。それでは失礼いたします」

ポイント:理由は「正直」かつ「曖昧」に

具体的な社名(「株式会社A社に行きます」)まで言う必要はありません。「業界が違う企業」「職種が異なる企業」など、少しぼかして伝えるのが大人のマナーです。


よくある質問とトラブル対処法

Q. 「一度会社に来て説明して」と言われたら?

A. 行く必要はありません。 「オワハラ(就活終われハラスメント)」の可能性があります。「大変申し訳ございませんが、意思は固まっておりますので、訪問は辞退させていただきます」と電話またはメールできっぱり断って大丈夫です。法的にも、行く義務はありません。

Q. 怒鳴られたり、損害賠償と言われたりしませんか?

A. 99.9%ありません。 まともな企業であれば、学生の辞退は想定内です。もし感情的に怒鳴るような担当者であれば、「入社しなくてよかった」と思って正解です。内定辞退で損害賠償が請求されることは、研修費などで特別な契約を結んでいない限り、法的にあり得ません。

Q. サイレント辞退(連絡なしバックレ)はしてもいい?

A. 絶対にNGです。 連絡がないと、企業は「事故に遭ったのではないか」と心配して大学や実家に連絡を入れる可能性があります。また、業界は狭いので、将来どこで繋がるかわかりません。メール1本で終わる話ですので、必ず連絡を入れてください。


まとめ:辞退は「悪」ではない。誠意を持って区切りをつけよう

就活において、複数の企業から内定をもらい、1社を選ぶことは当然のプロセスです。辞退すること自体に罪悪感を持つ必要はありません。

大切なのは、「相手のコスト(時間と労力)を考え、できるだけ早く伝えること」です。

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【免責事項】

本記事は一般的な就職活動のマナーおよび民法等の法解釈に基づいて解説しています。内定承諾書に「研修費用の返還」など特殊な特約が含まれている場合や、入社直前(4月1日ギリギリ)の辞退など、個別の状況によっては法的判断が異なる場合があります。トラブルが懸念される場合は、大学のキャリアセンターや弁護士等の専門家にご相談ください。

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