お歳暮・お中元の辞め方|親戚・上司へ「虚礼廃止」を伝える手紙・メールの例文とタイミング
「毎年、何を贈るか考えるのが苦痛」 「義理の両親から届くお歳暮へのお返しが、家計の負担になっている」 「会社の方針で『虚礼廃止』になったが、上司個人への贈り物はどうすべき?」
お中元やお歳暮といった季節のご挨拶。 かつては感謝を伝える重要な儀式でしたが、ライフスタイルの変化やコンプライアンス意識の高まりにより、「虚礼廃止(きょれいはいし)」として辞める動きが加速しています。
しかし、何も言わずに突然送るのを止める(フェードアウトする)のはマナー違反。 「何か失礼があったのか?」と相手を心配させてしまいます。
この記事では、相手を不快にさせず、スマートにお中元・お歳暮を終了するための「辞退の手紙・メール」の書き方とタイミングを解説します。
辞めるタイミングは「お歳暮(年末)」がベスト
お中元(夏)で辞めると、「半年後のお歳暮はどうする?」という迷いが生じます。 一年の区切りである「お歳暮」のタイミングで、「来年からは控えさせていただきます」と伝えるのが最も自然です。
手順:
- 今回(最後)の品物を送る。
- その品物に添える「送り状(挨拶状)」の中で、辞退の意思を伝える。
- もし品物に同梱できない場合は、品物が届く頃に別送で手紙・ハガキを送る。
【例文1】親戚・知人へ(高齢・定年を理由に)
相手が高齢の場合や、自分が定年退職した場合など、ライフステージの変化を理由にするのが角が立たない鉄板です。 「どなた様にも」という言葉を添えることで、「あなただけ辞めるわけではない」と安心させることができます。
件名:歳末のご挨拶
拝啓
師走の候、〇〇様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素は多大なるご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本日は心ばかりの品をお送りいたしました。ご受納いただければ幸いです。
実は、私共も寄る年波には勝てず、毎年の行事を続けることが体力的に難しくなってまいりました。 つきましては、誠に勝手ながら、本年をもちまして、どなた様へも季節のご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。
〇〇様とのご縁を大切に思う気持ちに変わりはございませんが、何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。 今後は、電話や手紙にて近況を報告し合えれば幸いです。
末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
【例文2】取引先・上司へ(コンプライアンス・経費削減)
ビジネス関係の場合、昨今の「儀礼廃止」の流れを理由にします。 相手も「時代の流れだから仕方ない(むしろ経費が浮いて助かる)」と受け取ってくれるはずです。
件名:お歳暮の儀礼廃止に関するお知らせ
拝啓
貴社におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社では昨今の儀礼簡略化の風潮や、コンプライアンス遵守の観点から、すべてのお取引先様に対し、お中元・お歳暮の贈答を廃止することといたしました。
つきましては、誠に失礼ながら、次回より弊社からの贈答を控えさせていただきますとともに、貴社におかれましても、弊社へのお心遣いはなさいませんようお願い申し上げます。
勝手な申し出とは存じますが、今後とも変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
相手から届いてしまった場合の断り方
こちらが送るのを止めたのに、相手から届いてしまった場合。 お返し(倍返し?)をしてしまうと、関係が続いてしまいます。
この場合は、「お返しはせず、お礼状だけ送る」のが正解です。 お礼状の中で、「次回からはお気遣いなく(受け取れません)」とはっきり伝えます。
お礼状の文例(抜粋):
「結構なお品をいただき、ありがとうございます。 今後はどうか無理をなさらないでください。 誠に心苦しいのですが、来シーズンからは、このようなお気遣いは辞退させていただきたく存じます。 私の勝手な願いを聞き入れていただければ幸いです。」
まとめ:関係を断つわけではない
お歳暮・お中元を辞めることは、人間関係の断絶(絶縁)ではありません。 むしろ、形だけのやり取り(虚礼)をなくし、本当に必要な時だけ連絡を取り合う「質の高い関係」への移行です。
「皆様一律に辞退することにしました」 この魔法の言葉を使って、年末の憂鬱なタスクを断捨離しましょう。
【免責事項】 本記事は一般的な冠婚葬祭のマナーおよびビジネス慣習に基づいて解説しています。地域特有の風習や、相手との関係性(仲人、恩師など)によっては、辞退が失礼にあたる場合もあります。ご自身の状況に合わせて、電話でフォローを入れるなどの柔軟な対応をご検討ください。