「家庭教師を解約したいけれど、契約期間が残っている」

「辞めると言ったら、高額な違約金や教材費の残金を請求されそうで怖い」

家庭教師センターや派遣業者の契約は、法律(特定商取引法)によって厳しく規制されており、法外な違約金は無効になるケースがほとんどです。

たとえ契約書に「途中解約は違約金〇〇万円」と書いてあっても、法律の基準を超えていれば払う必要はありません。

この記事では、違約金を払わずに(または最小限で)解約できるケースと、注意すべき「高額教材」の罠について解説します。


💡 この記事でわかること

・ 8日以内なら無条件解約できる「クーリング・オフ」

・ 期間途中でも違約金には「上限(最大5万円)」がある

・ 高額なテキスト代(教材費)のローンはどうなるか


ケース1:契約書を受け取ってから「8日以内」

→ クーリング・オフで全額返金・無条件解約

契約書面を受け取った日を含めて8日以内であれば、「クーリング・オフ」が適用されます。

理由を問わず、一方的に契約を解除でき、支払ったお金は全額返ってきます。

  • 条件: 契約期間が2ヶ月以上、かつ総額5万円以上の契約であること。
  • 方法: ハガキやメール(電磁的記録)で通知する。
  • ポイント: すでに授業を受けてしまっていても、授業料を払う必要はありません。

ケース2:8日を過ぎてしまった場合(中途解約)

→ 法律で定められた「上限額」だけ払えばOK

クーリング・オフ期間を過ぎていても、家庭教師の契約は「中途解約」が可能です。 この際、業者が請求できる違約金(損害賠償額)には、特定商取引法により以下の法的な上限が決められています。

これを超える金額を請求されても、支払う必要はありません。

タイミング業者が請求できる違約金の上限
授業開始「前」15,000円 まで
授業開始「後」50,000円 または 1ヶ月分の授業料
(※どちらか低い方の金額)

【重要】

「残りの契約期間の授業料を全額払え」や「違約金として10万円払え」といった条項が契約書にあっても、法律が優先されるため無効です。

授業を受けた分の料金(既受講分)と、上記の上限額さえ払えば解約できます。

ケース3:高額な「教材費」がある場合(最大の落とし穴)

家庭教師トラブルで最も厄介なのが、「授業料は安いが、テキスト代(教材費)が高い」というケースです。

(例:授業料月額3,000円、教材費50万円ローンなど)

この場合、家庭教師(役務)を解約しても、「教材のクレジット契約は別物だから、残りの教材費は払い続けろ」と言われることがあります。

対処法:教材が「関連商品」なら一緒に解約可能

契約書に、その教材が家庭教師サービスを受けるための「関連商品」として記載されていれば、クーリング・オフや中途解約の対象になります。

  • クーリング・オフ期間中: 教材も返品でき、支払い義務はなくなります。
  • 中途解約(期間後): まだ使っていない教材分については解約(返金)できる可能性がありますが、業者が「使用済みだ(価値がなくなった)」と主張してくることが多く、トラブルになりやすい部分です。

※教材トラブルは複雑なため、高額な残債がある場合は後述する「消費生活センター」へ相談してください。

ケース4:個人契約(マッチングサイト等)の場合

業者を通さず、大学生などと直接契約(個人契約)をしている場合は、特定商取引法の対象外となることが多いです。

この場合は「民法」のルールが適用されます。

  • 契約書に解約ルールがあれば、基本的にはそれに従います。
  • 契約書がない、または解約の記載がない場合は、民法627条により「解約の申し入れから2週間」で契約終了となるのが一般的です。
  • 個人相手の場合、法外な違約金を請求されることは稀ですが、月末まで授業料を払うなど、常識的な範囲での話し合いが必要です。

解約を申し出る際の手順

電話で「辞めさせてくれない」「高額請求された」という事態を防ぐため、以下の手順をおすすめします。

  1. 契約書を確認する「中途解約」の条項と、「関連商品(教材)」の記載を確認してください。
  2. 解約の意思を伝えるまずは電話やメールで伝えます。「特定商取引法に基づき中途解約します」と伝えると、相手も無茶なことは言えなくなります。
  3. 金額の明細を出してもらう請求額がおかしい(上限5万円を超えている等)場合は、「法律の上限を超えているようですが、内訳を教えてください」と指摘してください。

どうしても揉める場合は「188」へ

  • 「違約金が高すぎる」
  • 「教材費の解約に応じてくれない」
  • 「解約させてくれない」

このようなトラブルになったら、自分で戦わず、すぐに国民生活センター(局番なしの「188」)に電話してください。

専門の相談員が、契約書の内容を見て、業者への反論方法や具体的な解決策をアドバイスしてくれます。

まとめ

家庭教師の解約において、違約金を払わずに(または安く)済むポイントは以下の通りです。

  1. 契約から8日以内ならクーリング・オフ(完全無料)。
  2. 8日を過ぎても、違約金の上限は最大5万円(または1ヶ月分)。
  3. それ以上の請求は違法なので払わなくて良い。

業者の言いなりになって高額な支払いをせず、まずは法律のルールを盾に交渉してください。

【免責事項】

本記事は「特定商取引法」の一般的な解釈に基づいて解説しています。契約内容(特に教材販売の形態や契約期間)によっては条件が異なる場合があります。高額な請求トラブルに発展している場合は、速やかに消費生活センターや弁護士にご相談ください。

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