「親が積み立てていた互助会(ごじょかい)の証書が出てきたけれど、使う予定がない」 「葬儀は小さく家族葬にするつもりなので、大手互助会のプランは合わない」 「満期になった積立金を、自由なお金として手元に戻したい」

冠婚葬祭互助会の積立金は、銀行預金とは異なり「サービスの権利」を買うシステムですが、法律上、契約者の都合でいつでも解約して返金してもらうことができます。

ただし、全額が戻ってくるわけではなく、所定の解約手数料が差し引かれます。

この記事では、互助会を解約するための具体的な手順と、引き止めに遭わないための伝え方、手数料の目安について解説します。


この記事でわかること

・ 互助会を解約する際に必要なものと手順

・ 必ず引かれる「解約手数料」の相場

・ 「解約できない」と言われた時の対処法


手順1:まずは「会員証」を探す

解約手続きには、加入時に発行された「会員証(加入者証)」が必要です。 証書には「契約者番号」や「現在の積立額(口数)」が記載されています。

もし会員証が見当たらない場合でも、解約は可能です。 互助会の窓口に電話し、「証書を紛失したが、契約内容を確認したい(または解約したい)」と伝えれば、本人確認(氏名、住所、生年月日)を経て照会してもらえます。

※契約者がすでに亡くなっている場合は、相続人(家族)が代理で解約手続きを行うことができます。その際は、契約者の死亡診断書や戸籍謄本などが必要になります。

手順2:電話で解約書類を取り寄せる

互助会の窓口へ電話し、「解約したいので、書類を送ってください」と伝えます。 窓口に行く必要はありません。郵送で手続きを完結させることが可能です。

ここで必ずと言っていいほど、「引き止め」に遭います。 「今解約すると手数料がかかって損をしますよ」 「お子様の結婚式や、成人式にも使えますよ」 「もったいないので、そのまま置いておきませんか?」

こうした説得をかわすための、最も効果的な理由は「経済的な事情」です。 「生活費が必要になったので、現金化したい」 「まとまったお金が入用になった」 とはっきり伝えれば、相手もそれ以上強く引き止めることはできません。

どうしても電話が苦手な場合や、窓口に行く時間がない場合は、最初から「解約書類を郵送してください」と一点張りで構いません。

手順3:解約手数料と返金額を確認する

互助会の解約には、必ず「解約手数料」がかかります。これは契約約款で定められており、違法ではありません。

手数料の目安 一般的に、積み立てた総額の10%〜20%程度が手数料として差し引かれます。

例:30万円積み立てていた場合 手数料:約4万5千円〜6万円 返金額:約24万円〜25万5千円

「損をする」と感じるかもしれませんが、使わないサービスの権利を持ち続けても現金化はできません。 また、互助会の葬儀プランは追加費用がかかることが多く、結果的に格安の葬儀社に依頼した方が、手数料を引かれても安く済むケースが多々あります。

手順4:書類を提出し、振込を待つ

届いた解約書類に必要事項(振込先口座など)を記入し、本人確認書類(運転免許証のコピーなど)と会員証を同封して返送します。

返金のタイミング 法律(標準約款)では、解約書類が到着してから「45日以内」に返金することになっています。 実際には2週間〜1ヶ月程度で振り込まれることが多いですが、即日返金ではない点に注意してください。

トラブル:もし「解約できない」と言われたら

一部の悪質な担当者や、古い体質の互助会では、解約を拒否したり、手続きを不当に遅らせたりするケースがあります。

よくある妨害トーク 「担当者が不在でわからない」 「一度来店して話を聞かないと解約できない」 「満期になっていないから解約できない」

これらはすべて、解約を阻止するための方便であり、法的根拠はありません。経済産業省の指導により、互助会は解約に応じる義務があります。

もし手続きが進まない場合は、以下の専門機関に相談してください。

  1. 経済産業省の窓口 互助会事業を監督しているのは経済産業省です。「割賦販売法に基づく解約に応じてもらえない」と相談できます。
  2. 消費者ホットライン(局番なしの188) お近くの消費生活センターにつながり、具体的な対処法や、業者への指導を行ってくれる場合があります。
  3. 一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会 業界団体です。加盟している互助会であれば、こちらの相談センターに苦情を入れることで対応が早まることがあります。

まとめ

互助会の解約ポイントは以下の通りです。

  1. 証書がなくても解約できる(本人確認で照会可能)。
  2. 解約手数料(1〜2割)は必ず引かれるが必要経費と割り切る。
  3. 理由は「金欠」と言えばスムーズに進む。
  4. 45日以内に指定口座へ現金が戻ってくる。

「いつか使うかも」と思って塩漬けにしている積立金。ライフスタイルに合わないのであれば、手数料を払ってでも現金化し、自由なお金として活用するのも賢い選択です。

【免責事項】 本記事は一般的な冠婚葬祭互助会の標準約款および商慣習に基づいて解説しています。契約時期(特に古い契約)や加入している互助会の規定により、解約手数料の計算式や返金までの日数が異なる場合があります。必ずお手元の契約約款をご確認いただくか、各互助会の窓口へお問い合わせください。

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