【お中元・お歳暮】今年で最後にする「断り状」の書き方|円満にやめる挨拶文例
「毎年贈ってきたけれど、定年退職して収入も変わった」 「高齢になり、品物を選んだり手配したりするのが負担になってきた」 「形式的なやりとりを見直したい(終活・断捨離)」
お中元やお歳暮などの贈答習慣は、近年「虚礼廃止」の流れもあり、ライフスタイルの変化に合わせて卒業(終了)する人が増えています。 しかし、何も言わずに突然やめると「何か失礼があったのか?」「体調が悪いのか?」と相手を心配させてしまいます。
円満にやりとりを終了するためには、「今回で最後にしたい」という旨を記した挨拶状(断り状)を送るのがマナーです。 この記事では、相手に失礼にならず、角が立たない断り状の書き方と文例を紹介します。
💡 この記事でわかること
・ 「辞退」を伝えるベストなタイミング
・ 相手を不快にさせない「理由」の書き方
・ そのまま使える挨拶状のテンプレート(定年・高齢・一般)
ステップ1:いつ、どう伝える?
断り状を送るタイミングは、主に以下の2パターンがあります。
パターンA:最後の贈り物を送る時(送り主として)
「これまでのお礼」として今年のお歳暮(またはお中元)を贈り、その添え状(挨拶状)の中に「今回をもちまして…」と書き添える方法です。 ※品物に同梱するか、品物が届く頃に別送でハガキや封書を送ります。
パターンB:相手から届いた時(受け取り手として)
相手から品物が届いた際、そのお礼状(返礼の手紙)の中で「今後はこのようなお気遣いは無用にお願いいたします」と伝える方法です。 ※「お返し」の品は贈らず、手紙だけで済ませるのが一般的です(お返しをするとやり取りが続いてしまうため)。
ステップ2:理由は「環境の変化」にする
「金銭的に厳しい」「面倒くさい」というのは本音でもNGです。 相手に「あなたのことが嫌いになったわけではない」と伝えるために、以下の理由を使うのが鉄則です。
- 定年退職: 社会的地位が変わったことを節目にする。
- 高齢・健康: 「寄る年波には勝てず」と、年齢を理由に整理していると伝える。
- 家庭の方針: 「家族で話し合い、どなた様とも一律でお断りすることにした」と伝える。
重要なポイント: 「あなただけ断る」のではなく、「皆様に対して一律で辞退している」というスタンスを強調することで、角が立ちません。
そのまま使える挨拶文テンプレート
ハガキや手紙にそのまま使える文例です。縦書きでの手書き、または印刷が望ましいですが、親しい間柄なら横書きでも構いません。
パターン1:【定年退職】を機にやめる場合
最も自然で、納得されやすい理由です。
拝啓 (時候の挨拶 ※1)
さて、私儀 このたび定年退職を迎え、現役を引退いたしました。 これまで長きにわたり、あたたかいお心遣いをいただき心より感謝申し上げます。
つきましては、今後は職務上の儀礼的な交換はすべて失礼させていただこうと考えております。 誠に勝手ではございますが、〇〇様におかれましても、今後は私どものために特別なお心遣いをなさいませんようお願い申し上げます。
贈答の儀はなくなりますが、今後とも変わらぬお付き合いをお願いできれば幸いです。 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
パターン2:【高齢・終活】を機にやめる場合
70代、80代など、高齢を理由にする場合の文面です。
拝啓 (時候の挨拶 ※1)
皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 先日は結構なお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。家族でおいしく頂戴いたしました。
さて、私も寄る年波には勝てず、毎年の諸手続きが負担に感じるようになってまいりました。 誠に勝手ながら、本年をもちまして、どなた様とも時候のご挨拶を控えさせていただくことにいたしました。
今後はどうかお気遣いなさいませんよう、ここにお願い申し上げます。 長年にわたるご厚情に深く感謝いたしますとともに、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
敬具
パターン3:【お礼状】の中で断る場合(簡潔に)
相手から届いた際のお礼状に書き添えるパターンです。
拝啓 (時候の挨拶 ※1)
このたびは、ご丁寧にお歳暮(お中元)の品をお送りいただき、厚く御礼申し上げます。
実は、私たちも高齢となり、本年より皆様への贈答の習慣をすべて失礼させていただくことにいたしました。 つきましては、〇〇様からも、今後はこのようなお心遣いは無用に願いたく存じます。 勝手なお願いで恐縮ですが、どうか私の意を汲んでいただければ幸いです。
寒い日が続きますが、どうぞご自愛ください。
敬具
(※1)時候の挨拶の例
- お中元(7月上旬): 盛夏の候、暑さ厳しき折、
- お歳暮(12月上旬): 師走の候、カレンダーも最後の一枚となりましたが、寒冷の候、
よくある質問(Q&A)
Q. 断り状を出したのに、翌年も届いてしまったら?
A. お礼状だけ出し、お返しはしません。 もう一度「昨年もお伝えした通り…」と書く必要はありません(嫌味になります)。 お礼状で感謝を伝えつつ、こちらからの品物は贈らないという対応を数回続ければ、自然と先方も察して送らなくなります。
Q. LINEやメールで伝えてもいいですか?
A. 相手との関係性によります。 兄弟や親しい親戚であれば、「今年からお互いナシにしよう!」とLINEで提案しても問題ありません。 しかし、目上の方や仕事関係の方には、やはり書面(ハガキ・手紙)で伝えるのがマナーです。
Q. ビジネス(会社間)の場合は?
A. 「コンプライアンス(儀礼廃止の規定)」を理由にします。 「昨今のコンプライアンス順守の観点から、全社的に贈答品の授受を辞退することとなりました」という定型文を使えば、個人的な感情抜きに事務的に断ることができます。
まとめ
お中元・お歳暮をやめる時のポイントは以下の3点です。
- 何も言わずにやめるのではなく、挨拶状(断り状)を送る。
- 理由は「定年」「高齢」「皆様一律」にする。
- 文末には「今後は気遣い無用」とはっきり書く。
一度区切りをつければ、毎年の「何を送ろうか」「お返しはどうしようか」という悩みから解放されます。 長年の感謝を込めて、最後のご挨拶を丁寧に済ませましょう。
【免責事項】
本記事は一般的なマナーに基づいて作成していますが、相手との関係性や地域の慣習により適切な対応が異なる場合があります。ご自身の状況に合わせて文面を調整してください。