証券会社で投資を始める際、「特定口座」を選んだ方は多いでしょう。

しかし、

「特定口座だけ解約したい」

「証券会社の口座自体は残したい」

「特定口座をやめると保有している株はどうなる?」

といった疑問を持つこともあります。

結論からいうと、特定口座と証券総合口座は同じものではなく、証券総合口座を残したまま特定口座のみを廃止できる証券会社があります。

この記事では、特定口座を解約・廃止する際の基本的な考え方と注意点を解説します。

そもそも特定口座とは?

特定口座は、株式や投資信託などの取引に関する損益計算を証券会社が行ってくれる口座です。

「源泉徴収あり」を選択している場合は、証券会社が税額計算や源泉徴収まで行うため、投資家自身の税務手続きを簡略化できるのが特徴です。

一方で、証券会社そのものを利用するための基本口座は「証券総合口座」です。

そのため、

「特定口座を閉じる」

ことと、

「証券会社から退会する」

ことは別の手続きになります。

特定口座だけを解約することはできる?

証券会社によって手続きは異なりますが、特定口座だけを廃止し、証券総合口座を残せる場合があります。

例えばSBI証券では、特定口座を閉鎖するための専用手続きが用意されています。

カスタマーサービスセンターへ「特定口座廃止届出書」を請求して返送し、SBI証券が書類を受け取った後、通常2~3営業日ほどで閉鎖手続きが完了すると案内されています。

証券総合口座そのものの閉鎖とは別の手続きです。

SBI証券で特定口座だけを閉じる方法

SBI証券の場合、特定口座の閉鎖は書面で行います。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. カスタマーサービスセンターへ連絡する
  2. 「特定口座廃止届出書」を請求する
  3. 必要事項を記入する
  4. 書類を返送する
  5. SBI証券側で手続きが行われる
  6. 完了後、メッセージボックスで通知を確認する

公式案内では、書類受領後、通常2~3営業日ほどで特定口座の閉鎖が完了するとされています。

一方、SBI証券の証券総合口座自体を解約する場合は「証券口座廃止届出書」が必要で、閉鎖までの流れも異なります。

特定口座を閉じたら証券総合口座も使えなくなる?

特定口座だけを廃止する手続きであれば、証券総合口座自体を閉じる手続きとは異なります。

「特定口座は必要ないが、その証券会社では今後も取引したい」という場合は、証券総合口座を残したまま利用する方法を確認しましょう。

ただし、特定口座を廃止した後に行う取引の税務処理は変わる可能性があります。

税金の計算を簡単にしたいから特定口座を利用している人は、廃止するメリット・デメリットを考えてから手続きすることをおすすめします。

特定口座を閉鎖する前に保有株を売る必要はある?

特定口座内に株式や投資信託を保有している場合は、廃止時の商品の取扱いを確認する必要があります。

「特定口座の廃止=保有商品が自動的に売却される」と考えてはいけません。

一般口座への払出しなど、金融商品ごとの取扱いが関係する場合があるため、保有商品がある状態で特定口座を廃止したい場合は、事前に証券会社へ確認するのが確実です。

特に含み益や含み損が大きい商品を持っている場合は、税務上の管理にも関係するため注意しましょう。

特定口座を廃止すると年間取引報告書はどうなる?

特定口座を利用して売買を行った年は、「特定口座年間取引報告書」が重要になります。

年間取引報告書には、特定口座内で行った譲渡等に関する情報が記載されます。

SBI証券では、対象となる年に特定預りの譲渡等がある場合、翌年1月に年間取引報告書が交付されます。

特定口座を閉じたからといって、その年の取引記録が不要になるわけではありません。

確定申告などで必要になる可能性があるため、書類を保存しておきましょう。

特定口座を閉じると還付金が発生することもある

「源泉徴収あり」の特定口座を利用している場合、株式などの損益や配当金の状況によって税金の還付が発生することがあります。

SBI証券では、特定口座を廃止した場合、一定の還付金があるケースについて、廃止日の翌営業日に還付される予定と案内されています。

そのため、特定口座を閉じた直後は入出金状況を確認しておくとよいでしょう。

「源泉徴収あり」から「なし」にしたいだけなら廃止不要の場合も

特定口座を完全に閉鎖したいのではなく、

「源泉徴収ありから源泉徴収なしへ変えたい」

だけの場合は、特定口座そのものを廃止しなくても変更できることがあります。

ただし変更には条件があります。

例えばSBI証券では、その年に特定口座で損益が発生していたり、配当金などを受け入れていたりする場合、源泉徴収区分を変更できないことがあります。

単に源泉徴収方法を変えたいだけなのか、特定口座自体をなくしたいのかを整理してから手続きしましょう。

特定口座とNISA口座は別

特定口座を廃止しても、NISA口座の手続きまで同じになるわけではありません。

NISAは税制上の非課税制度であり、特定口座とは別に管理されます。

「別の証券会社へNISAを移したい」という目的の場合は、特定口座廃止ではなくNISAの金融機関変更手続きが必要です。

証券会社自体を完全に解約したい場合

特定口座だけではなく証券会社自体を利用しない場合は、最終的に証券総合口座の閉鎖手続きが必要です。

SBI証券では、証券総合口座の閉鎖には「証券口座廃止届出書」を提出します。

完全解約の場合は、

特定口座だけ閉じて終了

ではないので注意してください。

特定口座を解約する前のチェックリスト

手続きを始める前に、次の項目を確認しましょう。

  • 特定口座だけ閉じたいのか
  • 証券総合口座も閉じたいのか
  • 保有株式や投資信託があるか
  • 当年に売買をしているか
  • 配当金を受け取っているか
  • 源泉徴収区分を変更したいだけではないか
  • 年間取引報告書が必要ではないか
  • 還付金が発生する可能性はないか
  • NISAも利用していないか

目的を整理してから手続きを進めると、必要のない口座まで閉じてしまうのを防げます。

まとめ

特定口座は、証券総合口座そのものとは別の仕組みです。

そのため、証券会社によっては証券総合口座を残したまま特定口座のみを廃止できます。

SBI証券の場合は「特定口座廃止届出書」による書面手続きが必要です。

ただし、保有商品、当年の取引、配当金、源泉徴収、年間取引報告書などが関係することがあります。

単に「使っていないから閉じる」だけでなく、閉鎖後の税務管理まで考えて手続きすることが大切です。