証券会社を乗り換えるとき旧口座は解約すべき?NISA・株式移管・特定口座の注意点
証券会社を乗り換えるとき、「今まで使っていた証券口座は解約したほうがいいの?」と迷う人は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、新しい証券会社へ乗り換えるからといって、旧証券会社の口座を必ず解約する必要はありません。
複数の証券口座を保有すること自体は可能であり、旧口座に株式や投資信託を残したまま、新しい証券会社をメインに利用する方法もあります。
ただし、NISAを利用している場合は注意が必要です。
NISAは通常の証券口座とは異なり、同一年に新たな投資ができる金融機関は1つに限られ、金融機関を変更する場合には所定の手続きが必要です。
また、現在保有している株式を新しい証券会社へ移したい場合は、売却ではなく「移管」を検討できることがあります。
この記事では、証券会社を乗り換えるときに旧口座を解約すべきか、NISA・株式移管・特定口座で注意したいポイントを解説します。
証券会社を乗り換えても旧口座はすぐ解約しなくていい
証券会社を変更するとき、古い証券口座を必ず解約しなければならないわけではありません。
たとえば、
- A証券では国内株式
- B証券では投資信託
- C証券では米国株
というように、複数の証券会社を使い分けることもできます。
そのため、新しい証券会社の口座を開設したからといって、旧口座を慌てて閉鎖する必要はありません。
特に旧口座で株式や投資信託を保有している場合は、解約前に資産の扱いを決める必要があります。
旧証券口座を解約する前に確認すること
解約を検討する場合は、次の項目を確認しましょう。
- 国内株式を保有していないか
- 米国株など外国株式を保有していないか
- 投資信託を保有していないか
- NISA口座を利用していないか
- 特定口座を利用していないか
- 未約定注文が残っていないか
- 積立設定が残っていないか
- 配当金や分配金の入金予定がないか
- 預り金が残っていないか
- 必要な取引履歴を保存したか
保有商品や未完了の取引がある状態では、口座解約を進められないことがあります。
まずは口座内の状況を整理することが大切です。
保有株式は売却しないと証券会社を変更できない?
必ずしも売却する必要はありません。
証券会社間で取り扱い可能な商品であれば、株式などを新しい証券会社へ移管できる場合があります。
売却して現金化してから新しい証券会社で買い直す方法もありますが、この場合は売却時点で損益が確定します。
また、売却後に株価が動けば、同じ価格で買い戻せるとは限りません。
長期保有したい株式の場合は、売却する前に「他社への移管が可能か」を確認するとよいでしょう。
株式移管とは?
株式移管とは、保有している株式を売却せず、別の証券会社の口座へ移す手続きです。
たとえば、
旧証券会社で100株保有
↓
移管手続きを行う
↓
新しい証券会社で同じ100株を保有
という形です。
売却を伴わないため、「今の株をそのまま持ち続けながら証券会社だけ変更したい」という場合に利用されます。
ただし、商品や口座区分、証券会社の対応状況によって移管できない場合があります。
外国株式、単元未満株、一部の投資信託などは特に条件が異なるため、移管元と移管先の双方で確認してください。
特定口座の株式を移管するときの注意点
特定口座で株式を保有している場合は、移管先の証券会社でも特定口座を開設しているか確認しましょう。
特定口座は、証券会社が年間の譲渡損益などを計算する仕組みです。
そのため、証券会社を変更するときは単に株を動かせばよいとは限らず、口座区分を含めた確認が重要です。
移管する商品や口座状況によって扱いが異なることがあるため、手続き前に証券会社へ確認してください。
NISA口座は通常の証券口座と考え方が違う
証券会社の乗り換えで特に注意したいのがNISAです。
NISAでは、ある年に新たな投資ができる金融機関は1人につき1つです。金融機関自体を年単位で変更することはできます。
たとえば、
2026年 A証券でNISAを利用
2027年 B証券へNISAを変更
ということは可能です。
ただし、変更には所定の手続きが必要です。
NISAの金融機関変更には期限がある
NISAの金融機関を変更する場合は、変更したい年の前年10月1日から、その年の9月30日までに所定の手続きを行う必要があります。
ただし、その年に変更前の金融機関のNISA口座ですでに買付けを行っている場合、その年分について金融機関を変更することはできません。
そのため、翌年から新しい証券会社のNISAを使いたい場合は、早めに変更手続きを確認しておくのがおすすめです。
旧NISA口座の商品を新しい証券会社へ移せる?
ここは特に注意が必要です。
NISAの金融機関を変更しても、変更前の金融機関のNISA口座で保有している上場株式や投資信託を、変更後の金融機関のNISA口座へ移すことはできません。
たとえば、
A証券のNISAで株式を保有
↓
翌年からB証券へNISAを変更
したとしても、A証券のNISAで保有している商品をB証券のNISAへそのまま移管することはできません。
NISAの金融機関を変更したら旧口座の商品は売却する必要がある?
売却する必要はありません。
金融機関を変更した後も、変更前の金融機関のNISA口座で保有している商品については、引き続き非課税の適用を受けながら保有できます。
つまり、
「新規投資は新しい証券会社」
「過去に買ったNISA商品は旧証券会社」
という状態になることがあります。
そのため、NISAを変更したからといって、旧証券口座をすぐに解約する必要はありません。
むしろ旧NISA口座に商品が残っている場合は、完全に解約できる状態かどうかを慎重に確認する必要があります。
旧証券口座を残すメリット
保有株式を無理に売却しなくていい
長期保有している商品を、口座整理だけを理由に売却する必要がありません。
過去の取引履歴を確認しやすい
口座が残っていれば、過去の取引履歴や各種電子書面を確認しやすい場合があります。
証券会社を使い分けられる
取扱商品や手数料、アプリなどに応じて複数口座を使い分けられます。
旧証券口座を解約するメリット
一方、今後まったく利用しないのであれば、解約するメリットもあります。
- ログイン情報の管理が減る
- 証券口座を整理できる
- 不要なメールや通知を減らせる
- 資産管理が分散しにくくなる
「口座が多すぎて自分でも把握できない」という状態なら、不要な口座を整理するのも一つの方法です。
証券会社を乗り換える基本手順
証券会社を完全に乗り換える場合は、次の順番で考えると分かりやすくなります。
STEP1 新しい証券会社の口座を開設する
まず乗り換え先の証券口座を準備します。
STEP2 NISAを利用しているか確認する
NISAを変更する場合は、通常の証券口座とは別に金融機関変更の手続きを確認します。
STEP3 積立・未約定注文を確認する
投資信託積立や株式注文などを確認します。
STEP4 保有商品の扱いを決める
商品ごとに、
- そのまま旧証券会社で保有
- 新しい証券会社へ移管
- 売却
のどれにするか決めます。
STEP5 預り金を出金する
現金が残っている場合は、登録銀行口座への出金を検討します。
STEP6 取引履歴や電子書面を保存する
年間取引報告書や取引履歴など、必要な書類を保存します。
STEP7 旧口座を残すか解約するか決める
すべての資産整理が終わってから、旧口座を本当に解約する必要があるか判断しましょう。
NISA変更と証券口座解約は同じではない
「NISAを別の証券会社へ変更した=旧証券会社の口座が自動解約される」と考えないようにしましょう。
NISAの金融機関変更と、証券総合口座そのものの解約は別の手続きです。
金融機関を変更した場合でも、変更前のNISA口座に保有商品が残ることがあります。
そのため、旧証券会社を完全に退会したい場合は、別途、証券口座そのものの解約条件を確認する必要があります。
よくある質問
新しい証券会社を作ったら旧口座は解約しないといけませんか?
必ずしも解約する必要はありません。
利用目的に応じて複数の証券口座を保有することもできます。
NISAは複数の証券会社で使えますか?
同じ年に新たな投資ができるNISA口座は1つの金融機関に限られます。年単位で金融機関を変更することは可能です。
NISAの商品を新しい証券会社へ移管できますか?
変更前の金融機関のNISA口座で保有している商品を、変更後の金融機関のNISA口座へ移すことはできません。
NISAの金融機関を変更したら保有商品を売却する必要がありますか?
ありません。
旧金融機関のNISA口座で保有し続けることができ、非課税の適用も継続します。
株を持ったまま証券口座を解約できますか?
通常、口座解約前に保有資産を売却または移管するなどの整理が必要になります。
具体的な条件は利用中の証券会社で確認してください。
まとめ
証券会社を乗り換えるからといって、旧証券口座を必ず解約する必要はありません。
特にNISAを利用している場合は、
「NISAの金融機関変更」
「保有商品の移管」
「証券総合口座の解約」
を別々に考えることが重要です。
基本的には、
「新しい証券口座を開設する」
↓
「NISAの利用状況を確認する」
↓
「積立・注文を整理する」
↓
「保有商品を残す・移管する・売却するか決める」
↓
「必要な取引履歴を保存する」
↓
「旧口座を残すか解約するか判断する」
という順番で進めるとスムーズです。
旧口座を解約すること自体を目的にするのではなく、保有資産やNISAの状況を確認したうえで、自分にとって管理しやすい状態に整理しましょう。