Zabbixの「退会」はない?サポート解約とアンインストール手順【退会・解約】
サーバー監視ツールとして有名な「Zabbix(ザビックス)」。 利用をやめたい、他の監視ツール(DatadogやMackerel、Prometheusなど)へ乗り換えたいと考えた際、「退会ボタン」を探しても見つかりません。
Zabbixはオープンソースソフトウェア(OSS)であるため、無料版を使っている場合は「退会」という概念がなく、「アンインストール(削除)」が利用終了の手続きとなります。
一方で、企業として「Zabbix Enterpriseサポート」などの有償保守契約を結んでいる場合は、解約手続きが必要です。
この記事では、有償サポートの解約手順と、サーバーからZabbixをきれいに削除するための技術的な手順を解説します。
💡 この記事でわかること
・ 有償サポート契約の解約タイミングと連絡先
・ Zabbixサーバー・エージェントの正しい削除手順
・ 残ってしまいがちな「データベース」の処理
パターン1:有償サポート契約を結んでいる場合
Zabbix Japan(Zabbix SIA)や、認定パートナー企業と保守サポート契約を結んでいる場合です。
1. 契約形態の確認(直販かパートナーか)
請求書を確認し、契約先がどこかを確認してください。
- Zabbix Japanと直接契約: Zabbix社の営業担当へ連絡が必要です。
- パートナー経由(SIerなど): 契約している代理店の担当営業へ連絡します。
2. 解約通知期限(自動更新に注意)
多くのサポート契約は「1年ごとの自動更新」です。 契約書に「更新日の〇ヶ月前までに書面で通知すること」といった条項が含まれているケースが大半です。
- 期限: 契約更新日の1ヶ月〜3ヶ月前が一般的です。
- 手続き: 期限を過ぎると翌1年分の費用が発生するため、早めに担当者へ「次回の更新は行いません」とメール等で伝えてください。
パターン2:無料版(OSS)の利用をやめる場合
無料版の場合、手続きは不要です。サーバーからソフトウェアを削除(アンインストール)すれば完了です。 ただし、単にパッケージを消すだけではデータが残るため、以下の手順で完全に削除します。
※以下は一般的なLinux(RHEL/CentOS/AlmaLinux系)のコマンド例です。Ubuntu等の場合はaptに読み替えてください。
手順1:サービスの停止
削除中にプロセスが動いているとエラーの原因になるため、まずはZabbix関連のサービスを止めます。
Bash
# Zabbixサーバーとエージェントを停止
systemctl stop zabbix-server
systemctl stop zabbix-agent
# Webサーバー(Apache/Nginx)も必要に応じて停止または再起動
systemctl stop httpd
手順2:パッケージの削除(アンインストール)
インストールされているZabbix関連のパッケージをまとめて削除します。
Bash
# dnf (yum) を使う場合
dnf remove zabbix-*
これにより、zabbix-server、zabbix-agent、zabbix-webなどが削除されます。
手順3:設定ファイルとディレクトリの削除
パッケージ削除後も、設定ファイル(.conf)が残ることがあります。完全に消したい場合は手動で削除します。
Bash
rm -rf /etc/zabbix
rm -rf /usr/lib/zabbix
手順4:データベースの削除(最重要)
ここが一番忘れがちです。 Zabbixの監視データ(履歴)は、MySQL(MariaDB)やPostgreSQLなどのデータベースに残ったままです。これを消さないと、ディスク容量を圧迫し続けます。
- データベースにログインする
mysql -u root -p - Zabbix用のデータベースを削除するSQL
DROP DATABASE zabbix; - Zabbix用のユーザーを削除するSQL
DROP USER 'zabbix'@'localhost';
手順5:監視対象(エージェント)の削除
監視されていた側のサーバー(クライアント)に入っている「Zabbix Agent」も削除します。 これを忘れると、監視サーバーがなくなった後もエージェントが「接続できない!」というエラーログを吐き続け、ログファイルが肥大化する原因になります。
Bash
# 監視対象サーバーで実行
systemctl stop zabbix-agent
dnf remove zabbix-agent
rm -rf /etc/zabbix
まとめ
Zabbixの利用終了手順は以下の通りです。
- 有償契約があるなら、更新通知期限(1〜3ヶ月前)までに代理店へ連絡する。
- 無料版なら、サーバーとエージェントのパッケージをアンインストールする。
- ディスク容量を空けるために、データベースの削除(DROP DATABASE)を忘れない。
特に監視対象が多い場合、エージェントの消し忘れによる「ログ肥大化トラブル」が起きがちです。サーバー側だけでなく、クライアント側の後始末もしっかり行うことをおすすめします。
【免責事項】
本記事に記載されているコマンドや手順は、一般的なLinux環境(RHEL系)を想定したものです。お客様の環境(OSのバージョン、データベースの種類、構築方法)によっては、コマンドが異なったり、意図しないデータ損失が発生したりする可能性があります。 作業を実行する際は、必ず事前に重要なデータのバックアップを取得し、検証環境等で動作を確認の上、自己責任で行ってください。本記事の手順を実行した結果生じた損害について、一切の責任を負いかねます。