「使っていないFX口座を整理したい」
「別のFX会社に乗り換えたので古い口座を解約したい」

このような場合は、FX会社が定める口座解約手続きを行います。

ただし、FX口座はいつでもそのまま解約できるとは限りません。

保有中のポジション、未約定注文、口座残高、出金処理中の資金などが残っている場合、先に取引を整理しなければ解約できないことがあります。

また、解約後に年間損益報告書などが必要になる可能性もあるため、必要な取引データを保存してから手続きを進めることが重要です。

この記事では、FX口座を解約するときの基本的な流れと、ポジション・注文・残高がある場合の対処方法を解説します。

目次

FXアプリを削除しただけでは口座解約にならない

まず注意したいのは、スマートフォンからFXアプリをアンインストールしても、FX口座そのものは解約されないということです。

アプリ削除は端末上からアプリを削除する操作です。

FX会社との口座契約を終了したい場合は、各社指定の方法で口座解約を申し込む必要があります。

完全に利用をやめたいのであれば、アプリ削除ではなく「口座解約」まで済ませましょう。

FX口座を解約する前に確認すること

FX会社によって条件は異なりますが、解約前には次の項目を確認しておくとスムーズです。

  • 保有中のポジション
  • 未約定注文
  • 証拠金・口座残高
  • 出金依頼中の資金
  • 入金処理中の資金
  • 自動売買設定
  • 連携サービス
  • 年間損益報告書
  • 取引履歴

特に重要なのが「ポジション」「注文」「残高」の3点です。

ポジションが残っているとFX口座を解約できない?

FX口座を閉じる場合、一般的には保有しているポジションを決済して、取引を終了させる必要があります。

ポジションとは、FXで通貨を買ったり売ったりしたあと、まだ反対売買による決済をしていない状態です。

たとえば米ドル/円を買ったまま保有している場合、その買いポジションを決済しない限り取引は継続しています。

口座自体を閉鎖するのであれば、基本的には保有ポジションをゼロにしてから手続きを進めます。

ポジションを決済すると損益が確定する

FX口座の解約目的でポジションを決済すると、それまで含み益・含み損だった金額が実現損益になります。

含み益が出ていた場合は利益が確定し、含み損が出ていた場合は損失が確定します。

「口座を解約したいから」という理由だけで慌てて決済するのではなく、現在の損益状況を確認してから判断してください。

FX取引の差金等決済によって生じた損益には税務上の取り扱いがあります。国税庁でも外国為替証拠金取引(FX)の課税関係を案内しています。

未約定注文が残っている場合

ポジションだけでなく、未約定注文にも注意しましょう。

未約定注文とは、注文を出しているものの、まだ条件に達しておらず成立していない注文です。

たとえば、

  • 指値注文
  • 逆指値注文
  • IFD注文
  • OCO注文
  • IFO注文

などが残っていないか確認します。

未約定注文が残っている場合は、解約前に取り消しておくのが基本です。

ポジションをすべて決済したつもりでも、新規注文が残っていると、その後注文が成立して再びポジションを持つ可能性があります。

「建玉一覧」だけでなく「注文一覧」も確認しましょう。

自動売買を利用している場合は停止する

FX会社によっては、自動売買や注文プログラムなどを利用できる場合があります。

自動売買設定を残したまま資金を整理すると、設定内容によっては新たな注文が発注される可能性があります。

解約するときは、

「自動売買を停止」
↓
「未約定注文を確認」
↓
「ポジションを決済」
↓
「残高を出金」

という順番で進めると分かりやすくなります。

FX口座に残高がある場合

ポジションをすべて決済すると、証拠金や決済損益などが口座残高として残ります。

FX口座を解約する場合は、銀行口座への出金手続きを行い、口座残高を整理します。

出金するときは、

  • 出金可能額
  • 出金依頼中の金額
  • 出金先銀行口座
  • 出金日
  • 最低出金額

などを確認してください。

FX会社によっては、出金処理中の状態では解約手続きが完了しない場合もあります。

出金が完了したことを確認してから口座解約へ進むと安心です。

数円・数十円の端数が残っている場合

FX口座によっては、スワップポイントや端数処理などによって少額残高が残ることがあります。

通常の出金操作では処理しにくい少額残高がある場合は、FX会社のサポートに確認してください。

自己判断で放置したまま解約を申し込むより、残高処理の方法を確認したほうがスムーズです。

解約前に年間損益報告書を保存する

FX口座を解約する前に忘れずに確認したいのが、取引履歴や年間損益報告書です。

FXで利益や損失が発生している場合、確定申告で年間損益を確認することがあります。

国内FXの差金等決済によって生じた一定の損益については、国税庁が「先物取引に係る雑所得等」に関する課税・申告方法を案内しています。また、一定の要件を満たす損失については、翌年以後3年間の繰越控除制度があります。

そのため、解約する前に少なくとも次の資料を保存しておくと安心です。

  • 年間損益報告書
  • 取引履歴
  • 入出金履歴
  • 必要に応じて取引明細
  • 確定申告に使用した資料

FX会社によって帳票の名称は異なります。

ログインできるうちに必要なデータを確認しておきましょう。

FX口座を解約する基本的な手順

ここからは、一般的なFX口座解約の流れを紹介します。

STEP1 自動売買を停止する

利用している場合は、自動注文や自動売買を停止します。

STEP2 未約定注文をキャンセルする

注文一覧を確認し、残っている注文を取り消します。

STEP3 すべてのポジションを決済する

保有中の買い・売りポジションを確認して決済します。

決済によって損益が確定する点には注意してください。

STEP4 必要な取引履歴を保存する

年間損益報告書、取引履歴などをダウンロードします。

STEP5 口座残高を出金する

出金可能額を確認し、登録銀行口座へ出金します。

STEP6 残高・注文・ポジションがないことを確認する

解約前にもう一度確認します。

  • 建玉なし
  • 未約定注文なし
  • 出金処理中なし
  • 口座残高なし

という状態になっているかチェックしましょう。

STEP7 FX会社指定の方法で口座解約を申し込む

マイページ、問い合わせフォーム、書面など、FX会社が指定する方法で手続きを行います。

STEP8 解約完了を確認する

メールや書面などで口座解約完了の案内が届く場合は、最後まで確認します。

FX口座を解約すると取引履歴は消える?

利用者側からログインして閲覧できなくなることと、FX会社側の記録が即座にすべて削除されることは同じではありません。

金融サービスでは法令などに基づき各種記録が保管される場合があります。

一方で、利用者自身がマイページから過去の帳票を簡単にダウンロードできなくなる可能性はあります。

そのため、必要な書類は解約前に自分で保存しておきましょう。

FX口座は使わないなら解約したほうがいい?

必ず解約しなければならないわけではありません。

今後再利用する可能性があるなら、口座を残しておく選択肢もあります。

一方、

  • FXを完全にやめる
  • 複数口座を整理したい
  • 利用サービスを減らしたい
  • ログイン情報の管理を減らしたい

という場合は、不要な口座を解約すると管理しやすくなります。

ただし、解約後にもう一度利用したくなった場合、再申し込みや本人確認などが必要になることがあります。

再開条件はFX会社によって異なるため、将来再利用する可能性が高い場合は解約前に確認しておきましょう。

FX口座を解約できない主な原因

解約手続きが進まない場合は、次の項目を確認してください。

ポジションが残っている

建玉一覧を確認し、すべて決済します。

未約定注文が残っている

注文一覧に残っている指値・逆指値などを確認します。

口座残高が残っている

出金できる資金がないか確認します。

出金処理中になっている

出金が完了するまで待つ必要がある場合があります。

自動売買など関連サービスを利用している

関連機能を停止・解約する必要がないか確認します。

口座解約の受付条件を満たしていない

FX会社ごとに解約条件が設定されています。

原因が分からない場合は公式サポートへ問い合わせましょう。

よくある質問

ポジションを持ったままFX口座を解約できますか?

通常は保有しているポジションを決済する必要があります。

具体的な条件は利用中のFX会社で確認してください。

未約定注文だけなら残しても大丈夫ですか?

口座を完全に解約するなら、未約定注文もキャンセルしておくのが基本です。

残高が数円だけでも解約できませんか?

少額残高の扱いはFX会社によって異なります。

通常の出金で処理できない場合はサポートへ確認しましょう。

アプリを削除すればFX口座も消えますか?

アプリ削除と口座解約は別です。

正式に利用を終了する場合は、FX会社指定の解約手続きを行ってください。

年間損益報告書は残したほうがいいですか?

確定申告などで必要になる可能性があるため、解約前に保存しておくことをおすすめします。

まとめ

FX口座を完全に解約する場合は、単にアプリを削除するのではなく、口座内の取引と資金を整理して正式な解約手続きを行います。

基本的には、

「自動売買を停止」
↓
「未約定注文をキャンセル」
↓
「保有ポジションを決済」
↓
「年間損益報告書・取引履歴を保存」
↓
「口座残高を出金」
↓
「ポジション・注文・残高がないことを確認」
↓
「口座解約を申し込む」

という流れです。

特に注意したいのが、解約目的でポジションを決済すると損益が確定することと、解約後に取引履歴を取得しにくくなる可能性があることです。

資金を出金するだけで終わらせず、必要な帳票まで保存してから口座解約へ進みましょう。