「仮想通貨取引所をもう使わないので退会したい」

そんなとき、スマートフォンからアプリを削除するだけで終わらせていないでしょうか。

仮想通貨・暗号資産取引所では、アプリをアンインストールしても口座やアカウントが残っているケースが一般的です。

完全に利用を終了したい場合は、取引所が定める口座解約・退会手続きを行う必要があります。

また、暗号資産や日本円が残っていたり、積立設定や未完了の注文が残っていたりすると、すぐに解約できない場合があります。

この記事では、仮想通貨取引所を完全に退会するための基本的な流れと、残高・積立・取引履歴などについて解約前に確認しておきたいポイントを解説します。

目次

仮想通貨取引所はアプリ削除だけでは退会にならない

まず理解しておきたいのが、

「アプリを削除すること」と「取引所の口座を解約すること」は別

という点です。

アプリのアンインストールは、スマートフォンからアプリを削除しているだけです。

取引所側には、登録したアカウントや本人確認情報などが残っています。

完全に利用を終了したい場合は、各取引所が用意している退会・口座解約手続きを行いましょう。

仮想通貨取引所を解約する前のチェックリスト

取引所によって細かな条件は異なりますが、解約を申し込む前に次の項目を確認しておくとスムーズです。

  • 日本円残高
  • 暗号資産残高
  • 未約定注文
  • 積立設定
  • レンディングなど利用中のサービス
  • 入出金処理中の取引
  • 暗号資産の送付処理
  • 必要な取引履歴
  • 年間取引報告書
  • 登録メールアドレス

ひとつでも処理中の項目があると、解約できないことがあります。

1.まず未約定注文が残っていないか確認する

指値注文などを出したまま忘れていないか確認しましょう。

注文が成立していなくても、資金や暗号資産が注文のために拘束されている場合があります。

その状態では残高をすべて出金・送付できません。

解約する場合は、不要な注文をキャンセルしてから資産整理を進めます。

2.積立設定を停止する

暗号資産の積立サービスを利用している場合は、自動購入設定を確認します。

取引所によっては、口座内の日本円残高や登録した銀行口座・決済方法などを利用して定期的に暗号資産を購入します。

解約準備中に新しい買付が行われると、再び暗号資産残高が発生してしまう可能性があります。

そのため、

「積立解除」
↓
「次回の買付予定を確認」
↓
「資産を整理」

という順番で進めると安心です。

3.保有している暗号資産を整理する

ビットコインなどの暗号資産を保有している場合は、基本的に次のいずれかの方法で整理します。

売却して日本円にする

今後暗号資産を持たないのであれば、取引所内で売却して日本円にする方法があります。

ただし、売却すると損益が確定することがあります。

暗号資産の税務上の損益は取引内容によって扱いが異なるため、必要に応じて取引記録も確認しておきましょう。

別の取引所やウォレットへ送付する

暗号資産自体は保有し続けたい場合は、自分のウォレットなどへ送付できます。

ただし、送付先アドレスやネットワークの指定を間違えると、資産を失う危険があります。

初めて送付する場合や金額が大きい場合は、特に慎重に確認してください。

4.少額残高に注意する

取引所を解約するときに意外と多いのが、「数円相当の暗号資産が残っている」というケースです。

暗号資産には銘柄ごとに最低注文数量や最低送付数量が設定されていることがあり、少額すぎると通常の方法では動かせないことがあります。

この場合の処理方法は取引所によって異なります。

自分で処理できない少額残高が残った場合は、無理に取引を繰り返さず、取引所の公式サポートに確認しましょう。

5.日本円残高を出金する

暗号資産を売却した場合は、日本円残高が発生します。

口座解約の条件として残高ゼロを求める取引所では、銀行口座への出金が必要です。

出金するときは、

  • 出金手数料
  • 最低出金額
  • 出金可能額
  • 登録銀行口座
  • 出金処理中の取引

などを確認しましょう。

出金申請を行った直後は、口座上で処理中となることもあります。

銀行口座への着金や取引所側の処理完了を確認してから解約へ進むと安心です。

6.取引履歴は解約前に保存しておく

仮想通貨取引所を解約するとき、非常に重要なのが取引履歴の保存です。

解約後はログインできなくなったり、以前と同じ方法でデータを取得できなくなったりする可能性があります。

保存しておきたい情報には、次のようなものがあります。

  • 売買履歴
  • 日本円の入出金履歴
  • 暗号資産の預入・送付履歴
  • 年間取引報告書
  • 手数料履歴
  • CSVデータ
  • 必要なPDF帳票

特に、その年に売却や暗号資産同士の交換などを行っている場合は、損益計算に必要な記録を残しておきましょう。

実際に国内取引サービスの中には、年間取引報告書をログイン後にPDFで取得したり、取引履歴をCSVで取得したりする仕組みを採用しているサービスがあります。

「もう使わないから履歴も不要」とすぐに消してしまわないことが重要です。

7.利用中の関連サービスを確認する

仮想通貨取引所では、単純な現物売買以外にもさまざまなサービスが提供されています。

たとえば、

  • 暗号資産積立
  • レンディング
  • ステーキング
  • 定期運用
  • クレジットカード連携
  • API
  • 自動売買サービスとの連携

などです。

利用中の商品によっては、満期や解除条件が設定されている場合があります。

口座解約ボタンを押す前に、利用中サービスの一覧も確認しておきましょう。

仮想通貨取引所を完全に退会する基本手順

一般的には、次の順番で進めるとスムーズです。

STEP1 積立や自動取引を停止する

定期購入などを利用している場合は、最初に停止します。

STEP2 未約定注文をキャンセルする

注文一覧を確認して、残っている注文を取り消します。

STEP3 取引履歴を保存する

年間取引報告書、CSV、入出金履歴などを保存します。

STEP4 暗号資産を売却または送付する

保有資産を整理します。

STEP5 日本円を銀行口座へ出金する

売却によって発生した日本円も含め、残高を整理します。

STEP6 処理中の取引がないことを確認する

出金や送付などが完了していることを確認します。

STEP7 退会・口座解約を申し込む

設定画面や問い合わせフォームなど、取引所指定の方法で手続きを行います。

STEP8 解約完了通知を確認する

メールなどで解約完了が通知される場合は、最後まで確認します。

退会したら個人情報や取引履歴はすべて消える?

「退会=すべてのデータがその場で完全削除される」とは限りません。

金融関連サービスでは、法令や事業者の記録保存義務などに基づき、一定期間情報が保存される場合があります。

そのため、

「アカウントにログインできなくなること」と
「事業者が保有する情報が即時にすべて消去されること」

は別と考えておきましょう。

個人情報の取り扱いが気になる場合は、利用している取引所のプライバシーポリシーや利用規約を確認してください。

仮想通貨取引所を解約するデメリット

完全に解約する前に、デメリットも確認しておきましょう。

取引履歴を確認しづらくなる

ログインできなくなると、過去のデータを簡単に確認できなくなる可能性があります。

再び利用したくなったときに再登録が必要

一度解約すると、再度本人確認などが必要になることがあります。

また、再登録の可否や条件はサービスによって異なります。

相場が上昇してもすぐ取引できない

暗号資産を再び買いたくなったとき、新規口座開設が完了するまで取引できない場合があります。

使わない仮想通貨取引所は解約したほうがいい?

必ず解約しなければならないわけではありません。

「別の取引所をメインにするが、将来また利用するかもしれない」という人なら、そのまま残しておく選択肢もあります。

一方で、

  • 今後利用する予定がない
  • 複数の取引口座を整理したい
  • アカウント管理を減らしたい
  • 登録サービスを整理したい

という場合は、正式に解約しておくと管理しやすくなります。

よくある質問

暗号資産が残ったままでも退会できますか?

取引所によって条件が異なりますが、残高をゼロにすることを解約条件としているサービスがあります。

利用中の取引所の公式案内を確認しましょう。

積立を止めずに解約できますか?

取引所によって異なりますが、解約前に積立や継続サービスを解除しておくのが安全です。

アプリ削除だけで退会になりますか?

基本的にアプリ削除とアカウント解約は別です。

正式な退会手続きを確認してください。

取引履歴は削除しても大丈夫ですか?

税務確認などで後から必要になる可能性があるため、必要な取引データを保存してから解約することをおすすめします。

まとめ

仮想通貨取引所を完全に退会したい場合、アプリを削除するだけでは不十分です。

正式な口座解約手続きを行う前に、

「積立を停止する」
↓
「未約定注文を取り消す」
↓
「取引履歴を保存する」
↓
「暗号資産を売却・送付する」
↓
「日本円を出金する」
↓
「残高・処理中取引がないことを確認する」
↓
「退会手続きを行う」

という順番で整理するとスムーズです。

特に取引履歴は、解約後になって確定申告などで必要になることがあります。

「資産をゼロにすること」だけに気を取られず、「あとから必要になるデータを保存すること」まで含めて退会準備を進めましょう。